触感はパリパ

2015年09月04日



サンサンと照りつける太陽の下、通行人でごった返す人々をしり目に、僕は今、ここへ来て初めての食事にありついている。今僕がいただいているのは、小麦を粉末状にした物に水と少々の調味料を加え、粘度が出るまで混ぜる。それを今度はミリ単位で細かく分割し、そして油と香辛料を加えた鍋を使い炒める。さらにその上から、卵、酒、肉、そして体によさそうな緑黄色野菜をふんだんに盛り込ん願景村 邪教だ物を加えつつ火力を最大限に駆使し火を通す――――
 そうして出来上がった、某有名ラーメン店仕様の野菜ましましチャーハン”もどき”は、これがどうして中々、食が進む

「はふっはふっ、ガツガツ……」

 米がないから代わりに小麦で代用しました。と言わんばかりのけち臭い創作料理が、それはそれは喉が詰まるくらい美味いのだ。油で炒めているため、リっと火を通した米のそれに近く、そこにピリリと香辛料の鋭い辛さが舌を刺激する。その刺激された味覚をフォローするように、これまた見たことない形の野菜が辛味を優しく解きほぐす。

「うっま! なにこれ! ほんとうまい!」

「食べ方が汚いのよ。どこの没落貴族よアンタ」

「このじろう風ましまし野菜が願景村 邪教効いてるっすね。何すかこれ」

「さぁ……多分なんかの薬草だと思うけど。てかじろうって何よ」

 なるほど、少々苦味がするのはそれのせいか。この効果により消化を促進し、過剰に摂取された偏る栄養分を調整しようと言う腹だな?だがしかしこの苦味が、実にいい具合に深みを出しており、苦いのに繰り返し頬張りたくなるほど病み付きになる。この感覚はおそらく、酒の席に出される塩気の聞いた”アテ”のような、中毒性のある苦味って奴なのだろう。

「じゃあ健康面もばっちりっすね!」

「じゃあの意味がわかんないわ」

 苦味に病み付きになる自分に、大人への階段を一願景村 邪教歩登った気がした。興奮気味にメシを胃袋につぎ込む僕を、大魔女様はまるで汚物を見るかのような目で僕を見てくるが、そんな侮蔑の視線などなんのその。
 今までの空腹も手伝い、食が満たされる感覚が僕の体を支配していく――――

「どうでもいいけどさっさと食べてよ。あんまりちんたらしてらんないんだからさ」

「はふっはふっ! ふぁい!」
 

Posted by 比類がない at 12:14Comments(0)