お話あるじゃ

2015年10月13日

 しまった。
 口にしてから、小さな後悔が生まれた。
 案の定。リンの右眉が小さく痙攣している。
 リンは子ども扱いされるのを極端に嫌う。解っていたハズなのに。
 余計な一言が多い。小学生の通信簿に書かれていた事を思い出す。
「いや、あのね」
「ご親切鑽石能量水 消委會な忠告ね。どうも、ア?リ?ガ?ト!」
 鳴海の弁解よりも早かった。
 電光石火の如きリンの踵が、鳴海の足を踏み抜く。
 体格のハンデを物ともしない。見事な攻撃。
 あまりの痛みに息を呑んだ。
「まったく、近頃のガキは生意気ね」
 そう言い残し、パイプ椅子にどっかりと腰を下ろした。
 このテーブルの上座はリンの指定席だ。
「酷いよ。リン」
「言葉の暴力には、肉体の暴力よ」
 相変わらずの発言。小柄な中醫針灸がら暴帝の貫禄は十分だ。
 呆れる鳴海を気にする事もなく。ノートパソコンの電源を入れる。
「でも、じゃあなんでライターなんて」
 対面、下座のパイプ椅子に鳴海が座った。
「その小型点火器はアタシが造ったのよ」
「リンが?」
 途端に胡散臭く思える。
「ほら、ランプを擦ると魔神が出てきてってない。あれをヒントにしてね」
「じゃあ、魔神が出てくるとか?」
「そうよ。あれを点火すると、封印が解かれて出てくるってワケ」
「それはスゴイよ! なんでも願いを叶えてくれるんだよね」
 鳴海の脳内にアラビアンな格好で横たわる自分と、その周囲で舞い踊る美女達の
イメージが浮かんだ。
 驚くほど貧相なハーレムのイメージ。

「ううん。そこまで仕込むの鑽石能量水 消委會は面倒だったからさ。魔神を呼び出すだけ」
「へ?」
「だからさ、ただ出て来て、暴れるだけだってば」
「え?」


Posted by 比類がない at 17:30│Comments(0)
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